第7回-ドライバー・インストラクター養成研修

  平成23年6月4日(土)、5日(日)の2日間、タカラ物流システム㈱において、物技研会員会社および協力会社からの選抜ドライバー18名と、京都府トラック協会伏見支部から述べ39名が参加し、第7回ドライバー・インストラクター養成研修が開催されました。

 京ト協・伏見支部からはトラック協会のドライバー育成事業として、今回はできるだけ多くの方に体験してもらうため、基本的にそれぞれ1日ずつ交替で参加しました。

◆6月4日(土)

 物流技術研究会のドライバーインストラクター研修の特徴は、「研修を受けに来たドライバーが、会社に帰って自分で社内講習をできるようになる」ことが第一の目標、つまり研修のやり方を学ぶ研修です。

 今回は、座学と進行以外は講師陣もベテランの物技研メンバーではなく会員企業のドライバーが務め、ベテラン講師はサポートにまわりました。

効果的な安全教育の進め方

「絶対安全」などはない、常にあるのは「危険」

 1日目は、午前中に座学が行なわれ、「効果的な安全教育の進め方」と称して、物技研会長の丸山利明氏(タカラ物流システム)が、安全教育の最も基本的な考え方について述べました。

 丸山会長は「無条件に安全というものはない。あるのは危険だけ」「危険をいかに減らすのか、不断の努力をすることが『安全』です」と言い、自社における事故事例の反省点などにも触れ、「安全でうまくいっている」と思っている現場に落とし穴があることを指摘しました。

  現場の人間が事故防止策を立てる

 また、同種事故の再発防止策を立てるとき、現場のドライバー(あるいはリフトマン)の考えから防止策を決めることの重要性を強調しました。「事務所の管理者が決める防止策は、通り一遍の『安全確認をしましょう』といった指導に陥りがち。真の防止対策は現場で働く人の気づきから生まれます」。

 「ある交差点での左折事故の再発防止策を考えたとき、ドライバー達が選択した対策はその交差点を『左折しない』ということでした。話合いの過程で『あの交差点は怖いから別の交差点で左折する』というドライバーが多くいたこともわかりました。情報の共有ができていなかったことも事故の一因であったことに皆が気づき、左折しないという結論に至ったのです」

 

 上から押し付けられた対策ではないのでドライバーも素直に対策を守り、その交差点での事故は文字通り撲滅できました。

「真の対策」を生む事故事例の研究

 その後、フォークリフトがバック中に起こした人身事故を題材に、研修参加者全員で事故事例研究を行いました。

 

 現場でどのようにして事故の再発防止策を産み出すか、その方法を具体的に学ぶため、10人づつ4班に分かれ、スタッフがフォローする形で話し合いました。

v方法としては、次の2点が強調されました。

(1) 事故の状況を細かく確認しながら、現場の視点で問題点を洗い出す
(2) 原因として考えられることを2つに絞り、対策を2つだけに絞る
 対策をたくさん挙げ過ぎると総花的になり、実際に起った事故とは直接関係のない事象にまで関心が及び、現実には守りにくいルールが作られることがあります。

 「二度と同じ事故は起こさない」という原点に立ち、現場の作業者の気持ちで現場が納得して守ることができる対策の立案を目指し、各班から代表が発表しました。

ベアリングの実物を見て危機感を養う

 午後は、トラックのタイヤを外してブレーキとベアリングの構造や仕組みを実際に目で見て研修した後、日常点検の方法を研修しました。

 ベアリングはドライバーが点検すべき部位ではありませんが、この部分で車の全重量を支えていることを実感してもらうことと、大型車の車両火災の多くが、ハブベアリングのグリース不足などからガタ、焼付きが発生しタイヤが燃えることを知って、危機意識を持ってもらうためです。

 ベアリングやブレーキライニングを初めて見たドライバーもいて、「ベアリングに不具合が出たらハンドルにどんな振動がありますか?」といった真摯な質問が講師に向けられ、ベアリング異常でタイヤが高温になり、サービスエリアなどでタイヤを触ろうとしても触れることができないといった実体験も披露されました。

職場で日常点検を指導するための研修

他の人の点検をチェックし指導法を学ぶ

 日常点検では、全日本トラック協会のドライバーコンテスト全国大会で優勝経験のある㈱バンテックの濱野さんが、手本となる点検を見せた後、増トン車から4トントラックまで7班に分かれて点検実習を行いました。


 各班のトラックには、ナットの緩み、空気圧不足、ブレーキランプ切れなどの不具合が仕込んであり、参加者は不具合を見つけようと真剣に点検に取り組むとともに、交替で点検の指導担当となって、他のドライバーの点検を指導する方法を学びました。

 最初はエンジンを始動してからオイル点検をしてしまったり、後方のバックランプ点検を忘れるドライバーもいましたが、役割を交代して繰り返し点検実技をする中で、メキメキ上達していく様が見てとれました。
 「きちんと点検・整備でき、それを人に教えることができる」ということがプロとしての自覚と自信につながります。 

タイヤの空気圧異常も体験

 タイヤの空気圧不足は800kPa(8気圧)必要なところを5気圧程度にまで落としてあり、「ほとんどパンク状態といえる」(丸山会長)タイヤが仕込んでありましたが、見た目ではなかなかわかりません。

 そこで、いかに点検ハンマーによるタイヤの叩き方が重要であるかが濱野さんから伝授され、皆、リズムをつけてタイヤを叩き直すなど真剣に取組んでいました。

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ドライバー・インストラクター研修/カリキュラム(2011.6.4~5)             

  時間 研修項目
 6月4日 10001020  ・開講、オリエンテーション

               10201120

  ・効果的な安全教育のすすめ方 (丸山利明会長)

               11:301230

  ・事故事例研究 (グループ討議)
               13:201400   ・車両分解説明(タイヤ熱、ベアリング、グリース等)
               14001625  ・日常点検模範実技、点検研修(班毎に実施)
               16251655  ・各班模範点検実技
時間 研修項目
 6月5日 09000930  ・エコドライブコース説明等(三菱ふそう)
               09301530

 ・エコドライブ運転技術、車両感覚、危険回避、

  ブースターケーブルの接続等(班毎に交替で実施)

               15:301625

  ・自己宣言記入、結果講評

 ・エコドライブ研修修了証授与

   ※休憩、昼食時間は省略しています。

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