京都府トラック協会伏見支部のドライバー研修を実施

──2011年11月5日(土)~6日(日)

  タカラ物流システム㈱にて

 物流技術研究会では、会員事業所のドライバー研修だけでなく、依頼を受けて他社や他団体の研修も実施していますが、さる11月5日(土)と6日(日)の2日間、タカラ物流システム㈱において、京都府トラック協会伏見支部の依頼を受けて傘下事業所のドライバー研修を実施しました。

 

 両日ともあいにくの小雨模様でしたが、伏見支部の会員事業所から選任されたドライバー31名が参加し、日常点検方法や危険回避訓練やリアオーバーハングなどを熱心に学びました。

危険回避研修でスピードを落とすことの重要性を学ぶ

──1日目

事故・トラブル対処法を学ぶ

 初日の午前中は、まず丸山会長(タカラ物流システム㈱)が「知っておきたい事故・トラブル解消」と題し、自社で発生した事故やこれまでの事故事例を挙げながら、「高速道路でバーストなど車両トラブルが発生して路肩に停止した場合、無理をして非常電話を探すよりも110番に通報するほうが安全」などプロドライバーとしての対処方法を解説しました。

 

 次に、サントリーロジスティクス㈱、エービーカーゴ西日本㈱、中倉陸運㈱の3社が、自社で取り組んできた安全活動について報告しました。

一人でできる日常点検の方法を学ぶ

 午後からは、トラックのタイヤを外してブレーキとベアリングの構造や仕組みを実際に目で見て研修した後、日常点検の方法を研修しました。

 

 日常点検では、全日本トラック協会のドライバーコンテスト全国大会にも出場経験のあるタカラ物流システム㈱の澤井和樹さんなどインストラクターが手本となる点検を見せた後、7班に分かれて点検実習を行いました。

 

 各班のトラックには、ナットの緩み、空気圧不足、ブレーキランプ切れなどの不具合が仕込んであり、参加者は不具合を見つけようと真剣に点検に取り組むとともに、交替で点検の指導担当となって、他のドライバーの点検を指導する方法を学びました。

──2日目

エコドライブでコスト削減効果を実感

 2日目の研修は、まず2班に分かれ、1班はエコドライブ研修、もう1班は危険回避研修・シートベルトと車両感覚(リアオーバーハング・狭路バック)・ゴーカート研修を行いました。

 

 エコドライブ研修では、いすゞ自動車の協力のもと、タカラ物流システムから一般道路に出て元に帰ってくる3.5キロのコースを設定し、まず受講者が日頃運転している方法で運転してもらいました。

 

 その後、「早め早めにシフトアップをする」「高速段を多用する」「一定速運転を励行する」「エンジンブレーキを活用する」など、具体的なエコドライブの方法を講習し、もう一度同じコースをエコドライブ運転で実践しながら走行してもらい、燃料消費量などの差を測定しました。

 その結果、実験に使用した大型車では、日常運転の平均燃費がリッター4.46㎞だったものが、エコドライブを実践したところリッター5.1㎞に伸ばすなど、ほとんどの車両で1719%の燃費改善が見られました。

 

 この数値をもとに、1台のトラックが年間6万キロ走行し、50台使用しているとして、燃料代を計算したところ、約1,175万円の燃料費が節約できることを説明し、エコドライブがコスト削減のためにも、安全運転のためにも実行していただきたいと訴えました。

危険回避研修でスピードを落とすことの重要性を学ぶ

 危険回避研修では、まず時速40キロで走行し、前方信号の左側のランプが点けば右側に回避、右のランプが点けば左側に回避、3つ点灯すれば急停止する体験をしました。

 

 次に、前方のパイロンを5.5m近づけて同じように体験しました。すると、判断ミスをして回避できない人が続出しました。そこで、同じ距離で、時速30キロに落として体験すると、余裕を持って回避できました。

 

 5.5mという距離は時速40キロで走行するとわずか0.5秒の距離です。それだけの距離が短くなっただけで回避することが難しくなったのです。

 

 この研修では、回避距離を0.5秒分短くしたり、10キロスピードが上がるだけで安全に回避できる余裕がなくなることを体験し、スピードを落として走行することが大切であることを学ぶことができました。

 また、車がセンサーを通過したときに信号が変わりますが、運転者には信号が変わってから脳で判断するまでに時間がかかるので、すぐには認知できません。

 その間も車は進行しているわけですから、信号が変わった地点と運転者が認知した地点が違っていることもわかりました。

 

 日頃の運転でも、人間の認知能力には限界があることを知って、安全運転を心がける必要があることを学びました。

自分が思っているリアオーバーハングの大きさと実際の距離の違いを実感

 車両感覚体感実技では、後輪から車体後部までが長い大型トラックのリアオーバーハングの大きさを実感することと、狭路バックの実技研修を行いました。

 

 まず、受講者に自分が想像しているリアオーバーハングがどれくらいかを路面にチョークで描かせます。次に、大型トラックのハンドルを右一杯に切って前進移動したときの左端後部の軌跡を測りました。

 

 ほとんど人は、大きく左にはみ出すと予測していましたが、いちばん大きくはみ出した所で1m10㎝程度と、予測したほどはみ出していませんでした。このことから、左側との間隔が1.5m程度あれば、思い切ってハンドルを切っても大丈夫だということを、実感として掴んでおくことが大切であると強調しました。

 狭路バックの実技研修では、パイロンなどで狭い空間を作り、そこにトラックをいかに効率よく、安全にバックで入れるかの研修を実施しました。

 

 日頃トラックの運転に慣れているドライバーでも、感覚ではわかっているが実際にやってみると勘に頼っていることがあります。狭路バックの研修では、こういう方法でバックすれば、誰でも簡単に狭路に入れることができるコツを学びました。

 また、ゴーカート研修では、急いでパイロンを蹴散らして走行しても、できるだけ安全運転に徹した走行しても、時間はあまり変わらないということを実感しました。

 

 受講者にも大変好評で、アンケート結果をみると、ほとんどの人が「大変役に立つ」と答えていました。

なお、今回の研修プログラムは、Gマーク・グリ―ン経営取得の外部研修として認められており、交通エコロジー・モビリティ財団から後日、受講者全員に受講終了証が贈られました。

 

 また、今回の研修には、大阪府トラック協会河北支部の藤本様や近畿交通共済協同組合の冷水様、川端様が見学にみえるなど、物流技術研究会の活動も注目を浴びつつあります。

物流技術研修会利用者の声

【京都府トラック協会伏見支部ドライバー研修データ】

<日時>

2011年11月5日(土)~6日(日)

<場所>

タカラ物流システム株式会社

<参加者>

14社、31名

【平成23年11月22日更新 取材・編集 シンク出版㈱

物流技術研究会公式サイト