──2011年11月20日(日)
タカラ物流システム㈱にて
物流技術研究会では、さる11月20日(日)、タカラ物流システム㈱において、大阪府トラック協会河北支部のドライバー研修を開催しました。
この研修会は、大阪府トラック協会河北支部が会員事業所に対する安全教育事業の一環として実施したもので、支部内の6地区からそれぞれ4名の代表者が参加し、総勢24名が一人でできる日常点検方法や危険回避訓練、リアオーバーハング、狭路バックなどを熱心に学びました。
大阪府トラック協会の支部のなかで、物技研のドライバー研修を実施するのは河北支部が初めてで、来年2月には南大阪支部の研修も実施が予定されており、物技研仕様のドライバー研修が広まりつつあります。
まず最初に、ドライブレコーダーメーカーの㈱ホリバアイテックの石黒氏が「ドライブレコーダーが捉えたヒヤリ・ハット」と題して講演しました。
ドライブレコーダーに映った事故映像やヒヤリ・ハット映像を見せながら、ドライバーが事故やヒヤリ・ハットに至った原因はどこにあるのか、どのような運転をすれば防ぐことができたか、などを解説しました。
たとえば、信号のない交差点を左折する場面で、進入先の道路から左折合流しようと車が出てきましたが、ドライバーはその車の横をあまりスピードを落とさずに左折しようとしました。
その瞬間、車の後ろから出てきた自転車と衝突した映像を見せながら、スピードを出し過ぎていることや、自転車に気づいてブレーキを踏むまでが遅いことなどを指摘しながら、運転の問題点を指摘しました。
プロのドライバーを納得させるには、こうした客観的な映像を示しながら指導することが大切であることを強調しました。
受講者の反応も好評で、
・「もっと事故の映像を見たい」
・「実際に起こった事故の映像を見たので、今後は、より安全に運転しようと思った」
などといった意見がありました。
ドライブレコーダー研修の後、2班に分かれ、1班は先に日常点検研修、もう1班は危険回避研修・シートベルトと車両感覚(リアオーバーハング・狭路バック)研修を行い、その後交代してすべての研修を受けました。
それぞれの研修の具体的内容については、11月5日、6日の京都トラック協会伏見支部の研修を参考にしてください。
ここでは参加受講者のアンケート結果を紹介したいと思います。
各研修ごとの評価は、図のようになっており、「大変役に立つ」「まあ役に立つ」で、全体の95%を占めています。
とくに、実技中心の研修は、分かりやすいと好評で、
・「実技を通した研修は、話を聞くよりも分かりやすかった」
・「車両感覚(リアオーバーハング)は、すごく役に立ちました。訓練して(指導方法)をマスターしたい」
・「今後の安全指導を行うのに役に立った」
・「講義よりも実技研修のほうが実際に体験・体感できて身になる。今後も実技研修であれば参加したい」
などの意見がありました。
実技研修が終わった後、丸山会長(タカラ物流システム㈱)が実技研修のねらいと、事故やトラブルが起こった際に配車担当者や管理者が知っておくべき対処法を講演しました。
丸山会長の講演では、「車高3.8mのウィング車で走行中、3.4mのガードに差し掛かり立ち往生した場合」など、実際に起きたトラブル事例を取り上げ、どうしたらトラブル被害を最小限にとどめることができるかを具体的に説明しました。
どの事例も、現場で起こりうるものばかりで、受講者も真剣に聞き入っていました。
「現実のトラブル事例をもっと見たい」
「知っておきたい事故・トラブル対処法がとくに勉強になりました」
などの意見がありました。
研修全体の印象としては、
・「大変有意義でした。機会があればまた参加したい」
・「大変に役立つ研修でしたので、自社のドライバー全て受講してもらいたい。このような機会を増やしてもらいたい」
などの意見があり、受講者に大変好評でした。
バック時に左後方をバックミラーで確認する重要性を解説する丸山会長
つばめ急便第三事業部京阪物流センターセンター長
上田 宏章さん
―今日の研修の感想はいかがでしたか
上田 正直に言いますと、最初は日曜日なので足が重かったのですが、今日受講して本当に良かったと思っています。ここで得られた知識や体験は、自分のものとして一生のものになるからです。
―こうした実技研修は初めてですか
上田 私は、十数年前にクレフィール湖東の研修を受けたことがあるのですが、今日の研修は講師と受講者との距離が近いので、講師の方に気軽に質問できて身近に感じることができました。それと、比較的スペースの狭い場所でもできるように工夫して研修をしていますので、自社に持ち帰って実施できると思いました。
―具体的には、どの研修ですか
上田 リアオーバーハングの研修ですね。最初、自分でどれくらいはみ出すか予想するのですが、ほとんどの人は大きくはみ出すと予測していました。でも、実際にはそんなには大きくはみ出さないですね。そのあたりをみんな勘違いしていると思います。私のところでは、月に1回ドライバーミーティングを開催しているのですが、そこでどれくらいリアオーバーハングがあるかを実際にやってみようと思います。ドライバーは言葉だけでは納得しませんので。
―今後、研修に要望することはありますか
上田 河北支部の事業方針もあるでしょうが、素晴らしい研修でしたので、できれば全員に受けてもらいたいですね。最初は班長クラスが受講して、徐々に層を拡げていけたらいいなと思いました。
―本日はお疲れ様でした
【大阪府トラック協会河北支部ドライバー研修データ】
<日時>
2011年11月20日(日)
<場所>
タカラ物流システム株式会社
<参加者>
15社、24名
<インストラクター>(下の写真)
青柳修治(JR西日本マルニックス)、森井満夫(エービーカーゴ西日本)、古谷俊之(エービーカーゴ西日本)、澤井和樹(タカラ物流システム)、野村康志(タカラ物流システム)
【平成23年11月29日更新 取材・編集 シンク出版㈱】