配車・運行安全担当者研修会(東日本地区)1

■2012年4月14日──於:アサヒロジ株式会社・本社

 平成24年4月14日(土)、東京都港区のアサヒロジ㈱で物流技術研究会主催の「配車・運行安全担当者研修会(東日本地区)」が開催されました。


 この研修は4月7日(土)に行われた西日本地区の研修に続いて行われたもので、配車・運行安全担当者として知っておきたい心得や、実務対処を学んでいただく目的で開催され、会員事業所の配車担当者や安全担当者など9社から22名が参加しました。

◆配車担当者の使命とあるべき姿

エービ-カーゴ西日本・宮本秀俊社長
宮本秀俊副会長

──自らの配車技能でドライバーの人生を預かっているという「自覚」が必要
 まず、参加者全員が日頃どういった仕事をしているかなどの自己紹介を行った後、「配車担当者の使命とあるべき姿」をテーマに宮本秀俊副会長(エービーカーゴ西日本㈱)が講義を行いました。

 

 宮本副会長が強調したのは、「自らの配車技能(能力・手腕)で、ドライバーの人生を預かっているとの「自覚」を持つ必要がある」ということと「協力会社の経営にも間接的に関与している、繁栄させるのも廃業させるのも配車担当者の腕次第」ということです。


 回って来た配送伝票を、順番にドライバーに回すだけでなく、極力空車で走らせないこと、効率のよいコストのかからないように配車を考えてあげることが、ドライバーの稼ぎにつながったり、協力会社の経営安定につながったりすることになるので、そういう配車担当者になってもらいたい、と訴えました。

 もう一つは、配車担当者はドライバーに対して、どうしても上からの目線で日常業務を行いがちですが、ドライバーも人間なので、ドライバーのお陰でわれわれの仕事が成り立っているという感謝の念も忘れないで配車業務にあたってほしい、ということを強調しました。

 

──配車担当者として知っておきたい知識

 また、貨物自動車運送事業法、道路交通法、29通達などの法的知識、運賃、地理、得意先の特徴、高速道路料金、事故発生時の適切な指示など、配車担当者として知っておかなければならない知識は、日々研さんを重ねて身につけていくように促しました。

 

 そして、最後に配車担当者の仕事は、一般事務職の仕事とは違って、職人気質が必要な面があるので、サラリーマン根性では一流にはなれない、そこを強く自覚していただきたいと締めくくりました。

◆安全管理の心得と実務対処

阪元勝明氏
阪元勝明氏

──配車担当者はドライバーが安心できる運行指示を的確に出すことが重要
 次に「安全管理の心得と実務対処」として、阪元勝明氏(アサヒロジ㈱)が、事故やトラブル発生時の配車・安全管理担当者として知っておきたい対処法について講義を行いました。

 

「高速道路で車両火災が発生した際の心得」や「ガード前で立ち往生した際の対処」といったトラブルが発生したときのドライバーへの指示などを含む対処法や、「高額貨物の運搬で生じた損害賠償責任」、「派遣労働者の労働災害」といった配車担当者として知っておきたい危機管理対処法が紹介されました。

 

 内容については、4月7日の西日本の研修を参考にしてください。

◆トップドライバー養成のために何が必要か

濱野和守氏
濱野和守氏

──プロドライバーは他者からどう見られているかを常に考えて行動する
 次に、濱野和守氏(バンテック㈱安全環境部)から「トップドライバー養成のために何が必要か」と題し、講演がありました。
 濱野氏は、平成20年度の第40回全国トラックドライバーコンテストのトレーラ部門で優勝された方で、コンテストに参加することで、プロドライバーとしての自分の安全意識がどのように変化をしていったかを語ってくれました。

ドラコン・トレーラ部門で優勝
ドラコン・トレーラ部門で優勝

 「このコンテストに参加する前は、プロドライバーは決められた物を決められた時間に運んで、給料をもらうという考え方だったのですが、コンテストに参加するようになってから、単に物を運んで給料をもらうだけでいいのかなという疑問を持つようになりました」


 「そこで、トラックの行動を観察するために、歩行者の立場に立って街を歩いたり、自転車を買って道路を走ってみたりして、一体トラックがどのように行動しているかを観察しました。すると、幅寄せなど嫌がらせをしてくるトラックなどに随分出会いました。

 そのとき、真のプロドライバーとは何かと考えたときに、お年寄りや子どもなどの交通弱者を守らなければいけない、自分が乗っているトラックは大切にしなければいけない、という考え方に変わっていきました」

──日々の業務のなかで努力すれば、必要な知識を得ることができる

 「コンテストには優勝する3年前から参加し、最初は11トン車の部門で出場したのですが、入賞にもなりませんでした。入賞できないということは、知識も技能も足らないということですので、もっと努力しなければいけません。そのとき思ったことは、日常の業務のなかで努力すれば、身につけられる知識はたくさんあるということです。

 たとえば日常点検ですが、それまでは、ハンマーすら持っていなくてタイヤを足で蹴っ飛ばして空気圧を確認するなど、いい加減な日常点検しかしていませんでした。しかし、コンテストに挑戦するようになってから、毎日の日常点検は真剣にするようになりましたし、走行中に他車が変な動きをしたら、それは違反なのかどうかを考えるようになり、どんどんと知識を身につけていきました」


 「プロドライバーでも、ただ物を運んでいたらいいと思っている人は沢山いますが、プロとしての自覚を持って業務に当たるように、身近にいる配車担当者もアドバイスをしていただけたらと思います」と締めくくりました。

物流技術研究会公式サイト