平成25年11月21日(木)、神奈川県川崎市のサントリー研修センター「夢たまご」において、「第1回 STEP UP CONTEST」を開催しました。
このコンテストは、現場力を向上させるために取り組んだ、ドライバー・フォークリフト・現場管理の改善事例を発表するもので、106名が参加し、物流技術研究会の会員企業5社・11チームがそれぞれ創意工夫に溢れた取組みの発表を行いました。
開会にあたって、宮本秀俊会長(アサヒロジ㈱)が挨拶し、「本日の改善事例発表大会「STEP UP CONTEST」は、普段は知ることのない他社の職場の改善事例の発表を聞くことのできる機会です。ぜひ、情報共有を行い、他社の皆さんとの交流の場所づくりとしていただきたい」と述べました。
続いてアサヒロジ㈱の丸山高見社長が挨拶し、「企業の枠を超えた本日の改善事例の発表会は大変有意義な取り組みです。皆さんが日頃感じている、問題意識や行動の改善事例を、元気にイキイキと発表していただき、他社の良い取り組みは、どんどん自社の現場力向上に役立てるようにしてください」と語りました。
コンテストは、アサヒロジ㈱、サッポログループ物流㈱、サントリーロジスティクス㈱、タカラ物流システム㈱、㈱バンテックの5社11チームが改善事例の発表を行いました。
発表の審査は「創意工夫」、「着眼点」、「改善効果」、「説明力」の4つの要素で参加者全員が採点を行い、審査員は
アサヒロジ㈱ 代表取締役社長 丸山高見氏
サッポログループ物流㈱ 代表取締役社長 伊藤久生氏
サントリーロジスティクス㈱ 代表取締役社長 井上達志氏
タカラ物流システム㈱ 代表取締役社長 上坂良秋氏
㈱バンテック 代表取締役 専務執行役員 大﨑良秀氏
が務めました。
以下の11チームが、自社で取り組んできた改善事例の発表を行いました。
流通加工時間削減による生産性向上
──㈱バンテック 越川 茂氏
流通加工現場における時間あたりの出荷量を向上させるために、検品早見表や標準作業書を作成することで、64%の作業時間削減に成功し、生産性を向上させることができました。
倉庫内待機時間の削減
──サントリーロジスティクス㈱中島誠氏・矢島拓海氏
車両待機時間を削減する取り組みを行い、待機時間を15分短縮したほか、車両間の死角が減らす効果もあり、危険を排除することにつながりました。
誤出荷防止労災防止取組み
──サントリーロジスティクス㈱ 郡司 証悟氏
倉庫ヤードが暗く、検品などの作業に支障をきたしていたため、作業員の頭に装着するライトの購入や、家主の協力により照明を確保し、安価に労災、誤出荷を低減させました。
自主保全による設備トラブル・設備工事費の削減
──サッポログループ物流㈱ 松﨑 昭夫氏
設備トラブルがトラックの待機時間の増加などに繋がっていましたが、電気工事の有資格者に協力を依頼して、原因分析・対策を行った結果、設備会社に修理を依頼するよりも安価にトラブルを削減しました。
養生作業の改善
──サントリーロジスティクス㈱ 長間 賢太郎氏
コンテナからの荷積みの際に、養生作業が危険な状態でしたが、緩衝材を吊り下げる工夫を施したことで、大幅に安全性が向上し、荷積みの時間も短縮することができました。
「破損撲滅」路線業者への破損注意喚起
──タカラ物流システム㈱ 藤田 涼吾氏
商品を配送するにあたり、路線業者による商品破損が問題になっていましたが、タックシールを作成し、「代品なし」など具体的な表記をすることで、破損・汚損を削減することができました。
再認識Ⅱ(パート2)
──タカラ物流システム㈱ DVD放映
バッテリー上がりの救援知識の見直しをテーマとし、社内の調査から、正しい救援方法の手順をビデオ撮影し、テレビ番組風に編集して、わかりやすく紹介しました。
ピッキング時間の短縮による小型配送の効率化
──アサヒロジ㈱ 平野 裕治氏
和洋酒を配送するにあたり、ピッキングにかかる時間が問題でしたが、倉庫レイアウトの見直し、ピッキングリストの作成などを行なうことにより、ピッキング作業が効率的になり、出荷時間を短縮することができました。