第20回 ドライバーインストラクター養成研修を開催(26年11月)

 物流技術研究会では、さる11月9日と16日(それぞれ日曜日)の2週にわたってドライバー・インストラクター研修を開催しました。

 

 11月9日の西日本地区の研修では、タカラ物流システム(株)が会場となり、17名のドライバーが参加しました。 

 

 (※東日本地区の報告はこちらを参照

■1人でも実施できる日常点検実技を体験

 開会のオリエンテーションと主催者挨拶は各10分ほどで簡単にすませて、午前中は4つの班に分かれて、日常点検整備の実技研修を受けました。

 

 この体験実技は、次の2つが重要なポイントです。


 ・1人でもできるポイントを絞った点検

  の実技を身体で身に付ける

 ・職場に戻って、同僚・部下に指導する

  ことができる自信をつける

 受講者が点検実技を行なった後に、丸山利明(タカラ物流システム(株))講師が車輪を分解して見せ、トラックではとくに足回りの日常点検が重要であることを強調しました。

 

「タイヤホイールの亀裂を見落としたために落輪事故を起こしたり、グリースが溶けたため

 ベアリングが焼き付いて走行中に車両火災が起こった事例もあります」

「ドライバーにタイヤや車軸の中の整備まで求めているのではありません。重要な点は異常

 に気づく感覚を研ぎすませて欲しいということです」

「車両が何かおかしいな!と気づいたら、整備工場に連絡すればよいのです。点検の意義を

 知って、自分の身を守れるドライバーになってください」

■危険回避訓練で速度を落とす重要性を体験

 昼食後には、「危険回避・シートベルト」と、「車両感覚(リアオーバーハング・狭路バック)」研修を体験しました。

 

 危険回避研修では、時速30キロと時速40キロの二通りの速度で走行し、擬似信号機による合図で危険回避行動を体験しました。

 この研修では、人間の脳内で発生する知覚反応時間を要するため、瞬間反応は物理的に無理であること、スピードを落とすことで判断・操作の余裕が生まれることを学びました。

 

 受講者は、皆、わずか時速10キロでも、操作の余裕が生まれることで、危険回避に大きな違いがあるということが実感できたようです。

 

 このあと、シートベルト非着用の体験を行いました。低速でも急ブレーキをかけると大きなGがかかるため、シートベルト非着用の場合は身体が大きく前のめりになります。順番に車の後部座席に座って、ベルト非着用の危険を実感しました。

■車両感覚を実測することで接触事故を防ぐ

 車両感覚実技では、まず、トラックのリアオーバーハング(車体後部のはみ出し)の大きさを実体験しました。

 

 受講者自身に自分の感覚でリアオーバーハングの軌跡がどうなるか示してもらった後に、大型トラックのハンドルを左一杯に切って前進移動したときの右後部の軌跡を測りました。

 

 いちばん大きくはみ出した所で1m10㎝程度と予測したほどはみ出さないことがわかりました。さらに、ハンドル操作を1回転にすると、はみ出し幅は45㎝ほどになることも体験しました。

「傾いた路面でのウイングのはみ出し分を足したとしても、車体と壁などの間隔が1.5m程度あれば、思い切りハンドルを切っても大丈夫です。逆に幅が1m未満の狭いところから出て行く場合には、ハンドル操作を少なくするということを意識しましょう」

■プロとして知っておきたい、危機管理の知識を紹介

 実技研修が終わった後、実技の補足説明と「プロとして知っておきたい安全管理の心得・実務対処」の講習が行われました。

 

「高速道路の車両火災事故は年間200件も発生している!二次災害を最小限にするには、どうしたらよいか?」

「燃料・オイル漏れ事故を防ぐためには、日常点検整備や3か月点検だけで大丈夫か?」

「課税倉庫と未納税倉庫の出荷配送  どちらからの倉庫から配送するのが正しいか?」

 

──など、 実際に発生した事故やトラブル事例などを挙げながら、プロドライバーとしての対処方法を解説しました。

■研修のアンケート結果

 研修終了後に回収したアンケート結果では9割以上の受講者が「役に立った」という感想を残してくれました。

 

 項目別にみますと、「日常点検実技・試験」については「たいへん役に立つ」が86%「まあ役に立つ」を入れると100%となっています。

 

 また、「危険回避」でも82%の受講者が「たいへん役に立つ」と回答し、役に立つ全体で100%となっています。

 

 「トラブル対処・危機管理」でも「たいへん役に立つ」が86%に達し、「まあ役に立つ」を加えると95%となっています(詳しくは下図を参照)。

 

 具体的な感想としては、以下の様なコメントが寄せられました。

 

 ・実技の時間が少なかった。

 ・講習は2回目であったが、改めて聞くことで深く把握することができた。

 ・トレーラの研修があれば最高です。

 実技体験がゆっくりできたらよいと思う。

 ・車庫入れができなかったのが残念です。

 ・大変良い勉強になりました この経験を生かしたいです。

 ・実のある研修で、大変面白かった。

 

 【第20回 ドライバーインストラクター養成研修データ 物流技術研究会・西日本地区

 

<日時>

  平成26年(2014年)11月9日(日)

 

<場所>

  タカラ物流システム(株) 西日本ロジスティクスセンター

 

<参加者>

  受講者 17名  見学者 12名

  会社名(順不同)──嶋崎運送(株)/(株)山上運輸/(株)バンテックセントラル/

          関西海運(株)/大阪内外液輸(株)/サッポロ流通システム(株)/

                            サントリーロジスティクス(株)/ケーエルサービス西日本(株)/

          (株)農協物流わかやま/中倉陸運(株)/

          (見学者)東京海上日動火災保険(株)/サッポロ流通システム(株)

           

<講師・インストラクター(敬称略・順不同)>

  宮本秀俊(アサヒロジ)

  丸山利明(タカラ物流システム)
  野村康志(ティービー)
  澤井和樹(ティービー)
  佐々木健一(バンテック)

  上野正夫(サントリーロジスティクス)
  森井満夫(エービーカーゴ西日本)

  吉村隆司(エービーカーゴ西日本)
  平沼邦男(キリングループロジスティクス)

 

【平成26年12月5日更新 取材・編集 シンク出版㈱

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