上級インストラクター研修を開催(28年10月)

 物流技術研究会では、さる平成28年10月16日(日)、クレフィール湖東・交通安全研修所において、ドライバーの上級インストラクター研修を実施しました。

 

 この研修は、普段、物流技術研究会のドライバーインストラクター研修などの指導スタッフを務めている上級インストラクターを対象として企画されました。

 

 自らも研修を受ける立場に戻って運転を振り返り、安全運転の基本を確認していただくとともに、より高度な研修を受講することでスキルアップを図り、今後の物技研セミナーや社内での指導に役立てていただこうというのがねらいです。

 

 今回の研修には、東西から上級インストラクターとして41人が参加しました。

■基本養生作業標準の研修を実施

 クレフィール湖東には、広い外周コースともにフォークリフト等により荷積み研修のできる実技エリアもありますので、交通安全研修所のインストラクターによる基本走行や添乗走行、ブレーキングなど高度な走行訓練のほか、今回初めて、物流技術研究会独自の「基本養生作業標準」に関する研修を実施することができました。

 

 今回は、この養生研修を中心に報告します。

 


■正しい養生に必要な装備品の確認

 クレフィール湖東のインストラクターによる運転実技研修を終えたあと、物流技術研究会の町田慶太講師のリードのもとに養生研修を実施しました。

 

 まず養生のための装備品として、緩衝材、コンパネ、ラッシングベルト(バー)の実物を紹介し、これらの装備がそれぞれ重要な役割を持ち、どれか一つ抜けても、商品の汚破損や荷崩れの危険があることを確認しました。

 この後、実際にフォークリフトで荷物を積み込む実習を行い、養生の基本を学びました。

■コンパネを忘れると急ブレーキ等に対応できない

 物流技術研究会のパートナー企業にご協力いただき、研修エリアには、実際に飲料貨物を満載したウイング車を持ち込んで、荷主などの積込み現場と同じ状況で研修を行いました。

 

 積載内容に応じた養生として、発泡性の緩衝材は1枚で大丈夫なケースと2枚必要なケースを解説しました。

 さらに緩衝材の間にコンパネを床まで差すことで、急ブレーキの際のショックが面で受け止められ、荷崩れの発生を防ぐメカニズムを強調しました。

 

 コンパネを差さないで、全体が緩衝材だけの養生の場合は、急ブレーキで荷ズレが発生し、斜めに圧力がかかって、商品箱などの側面が損傷されるからです。

 

 

部材 使用目的(機能) トレーラ 大型車 普通車

緩衝材

すき間養生(汚破損防止) 52枚以上 40枚以上 必要分

 ラッシングベルト

(ラッシングバー)

製品固縛(荷崩れ防止)  3本以上 2本以上 必要分

コンパネ(ベニア板)

荷崩れによる被害拡大防止 24枚以上 18枚以上 8枚以上

■「安全な養生作業」 4つの重要ポイント

 積込み作業では、ドライバーの指詰め労災事故などが発生しています。

 事故防止の注意事項として以下の4つのポイントを確認しました。

 

  1. 準備完了後は、荷台下(上)でフォークリフトマンが見える場所に立つ 
  2. フォークリフトマンが作業合図の実施
  3. 積込み作業の誘導は、リフトマンが見える位置で「オーライ!」
  4. 緩衝材・コンパネ挿入後は、1パレット分以上離れてから、サイドシフトスライドの合図を実施する

 町田講師は、とくに1パレット以上離れることの重要性を強調し、「近くにいると、緩衝材のズレなどを見つけたとき、つい反射的に直したくなり手を出してしまい、指等を挟む事故が発生する危険が高まります」と解説しました。

 

■後方「ラッシングベルト」の重要性を再確認

 積込み作業の終わりには、ドライバーによる後方のラッシングベルトかけの実演が行われました。

 

 いくらパレットを上手に積み込んでも、最後のラッシングベルト(バー)による養生を忘れると意味がないからです。

 

 余った緩衝材とコンパネを上手に使用して、1本のラッシングベルトでも、十分に急ブレーキ等に対応できる安全な固定方法を示しました。

 

 町田講師は、構内で車を動かすときでも、これらの養生措置を面倒に感じて後回しにすると、「深刻な荷崩れが起こる危険がある」ことを強調し、このあと荷崩れの様子を実演して、その証拠を示しました。

 

■荷ズレ、荷崩れをトラックで実演

 研修の最後に、実際にトラックに荷物を積込み、パレット上でベルトや緩衝材養生などをしないままであれば、どのような荷ズレや荷崩れが発生するかを実験しました。

 

 最初は、緩衝材などの養生がない状態で急発進、急制動をかけたときの、荷ズレによるダンボールの損傷などを確認しました。

 

 次に、トラックにカーブをスピードを上げて旋回させ、荷台の荷物が崩れて路上に散乱する様子も実演しました。

 

 荷崩れの実演は非常にわかりやすく、参加した上級インストラクターは、「低速でも、こんなに簡単に崩れるんだ」「これは怖いな」と口々に感想を述べ、養生指導の重要性について強く印象に残った様子でした。


■研修のカリキュラム

時 間  研修内容
 08:30~ 09:00 ・ 開会挨拶 岡義人会長(キリングループロジスティクス)
 09:00~ 12:00

 ・2グループに分かれた技能研修

  基本走行の実習

  講師:クレフィール湖東 インストラクター 

 

 12:00~ 13:00  ・昼食休憩
 13:00~ 16:00

 ・2グループに分かれた運転技能研修
  基本走行 → 添乗走行 → 運転と反応 → ブレーキング

  講師:クレフィール湖東 インストラクター 

 

  【研修のねらい】

  危険なことを安全に体験して、今後の安全運転行動に

  つなげる

  ① 免許取得時の基本を再確認

  ② 「車の限界/人の限界」を体験し危険感受性を向上

     させる           
  ③ 危険に対する感受性を高め安全意識を向上・変革

 

 16:00~ 17:00

 ・養生基本作業標準 研修

  実技コース内で2グループ集合して実施

  講師:物流技術研究会 町田慶太講師

     (サントリーロジスティクス)

 

  【研修のねらい】

  正しい養生の基本を確認し、積込時の事故、荷崩れを防ぐ

  ◆養生装備品の確認

  ◆積み込み時の注意事項4つのポイント

   ①フォークリフトマンの見える場所に立つ 

   ②リフトマンが作業合図

   ③積込時の誘導 リフトマンが見える位置でオーライ

   ④緩衝材/コンパネ挿入後は1パレット分離れて合図

  ◆養生ミスによる荷崩れの実験(実車)

 

 17:00~ 17:15

・閉会 アンケート回収/修了証授与

 

【上級インストラクター研修 データ 物流技術研究会

 

<日時>

  平成28年(2016年)10月16日(日)

 

<場所>

  クレフィール湖東 交通安全研修所(滋賀県東近江市平柳町22-3)

 

<参加者>

  受講者 物流技術研究会 上級インストラクター41名

  参加会社名(順不同)

  アサヒロジ(株)/ティービー(株)/エービーカーゴ西日本(株)/エービーカーゴ東日本

  (株)/サントリーロジスティクス(株)/サッポロ流通システム(株)/(株)バンテック

  セントラル/(株)ラックサービス/ケーエルサービス西日本(株)/フジックス(株)/

  海邦物流(株)/ミナト流通サービス(株)/中倉陸運(株)/(株)トーリク/ケーエルサー

  ビス東日本(株)/清水運送(株)/田中運輸(株)/脇坂運輸(株)/中野運送(株)/大阪

  内外液輸(株)/浪速通運(株)

               

 

【平成28年12月14日更新 取材・編集 シンク出版㈱

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